2014.12.12

情報化社会の進展に貢献 KBA新聞印刷の自動化から200年

グーテンベルグによる手動印刷機の発明から360年が過ぎた1814年11月29日、フリードリッヒ・ケーニッヒとアンドレアス・バウアーは蒸気駆動でダブルシリンダー構造の新しい印刷機を造り、英国・ロンドンで「タイムス」という新聞を印刷するのにそれが初めて用いられた。この新しい印刷機は手動印刷という重労働からの解放を実現し、高速大量印刷化の口火を切った。この最初の新聞印刷機が世に生まれてから今年でちょうど200年となる。

現在のオフ輪の基となった印刷機

この蒸気駆動のダブルシリンダー印刷機は、斬新なアイデアをベースに、印刷方式に回転シリンダーという機能を組み込んだもの。これが今日の輪転印刷の基となっている。この印刷機による貢献は、単なる作業者の労力軽減という点だけでなく、より大量の印刷物を効率的に製作できるようになったことで、上流階級だけにとどまらない幅広い層に向けて情報を配布・発信できる社会の確立という点でも重要なポイントとなった。

その3年後となる1817年8月9日、ケーニッヒとバウアーは世界初の印刷機メーカーとなるKBA社を独・ヴュルツブルグで興した。

1814年に「タイムス」で採用された蒸気駆動のダブルシリンダー印刷機の生産性は、それまでの毎時240枚という手動印刷機と比較するとほぼ5倍となる毎時1100枚にのぼった。より速く印刷ができ、それにより記事情報の鮮度も上がり、かつ費用対効果も良くなった。

印刷機はその後、より力強くそして洗練されていき、それと同時に印刷品質もどんどんと良くなっていった。そして1876年に最初の輪転印刷機を、1888年には最初の4色輪転印刷機を同社が納入し、新聞に華美なカラー印刷がワンパスでできるようになった。またその技術を発展させ、印刷製品の中でもっとも高度で絶対的な信頼性が求められる紙幣印刷の分野に向けた印刷機も開発し、現在では全世界で流通する紙幣の9割以上が同社製の印刷機から製造されている。

(株)日本印刷新聞社掲載記事

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