2014.11.10

Rapida145披露 菊倍6色国内初号機、圧倒的な時間短縮実現

KBA製枚葉大判印刷機の国内初号機となる菊倍判6色印刷機「Rapida145」を今年6月に導入した(株)KINSEI(本社・大阪府八尾市上尾町5の10、野崎守清社長)が、10月22日、その印刷機の高いパフォーマンスを取引先や同業者などに披露する内覧会を開催した。


同社が導入した「Rapida145」には、ダイレクトドライブ機構の搭載による全自動同時版交換や各種切り替え作業の同時処理ができることに加え、大判印刷機への搭載は世界初となる「フライングジョブチェンジ機能」も備え、圧倒的な早さでジョブ替えができるモデルとなっている。
会の開催にあたって同社の野崎社長は「今回導入した印刷機のメーカーのKBAは、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれないが、大判の枚葉オフセット印刷機において世界トップシェアを占める、印刷業界で高く評価されているブランドとなる。この印刷機の特徴は、印刷スピードの速さとジョブ替え時間が圧倒的に短縮されることだ。ダイレクトドライブ機構によるブランケットや圧胴の洗浄と刷版交換が同時に行えることに加え、“フライングジョブチェンジ機能”というものも搭載している。実演をご覧頂き、品質、スピード、ジョブ替えの早さを体感してもらいたい」と述べた。

フライングジョブチェンジで切替が30秒

同社が「Rapida145」に搭載した「フライングジョブチェンジ機能」とは、たとえば4色印刷機において2色印刷の次に異なる2色印刷の仕事をする場合、最初のジョブを印刷している間に空いている胴に次の2色印刷のジョブの刷版をセットしておくと、はじめのジョブが終わると印刷機が自動的に次のジョブの各種調整を行い、すぐに印刷を開始するもの。ジョブ替えの間も印刷機の駆動は止まらないので、極めて迅速に次の仕事へ移ることができる。

印刷実演ではこの「フライングジョブチェンジ機能」を活かし、(1)毎時1万4000回転で、厚さ0.1ミリの紙に1・2・3胴目だけを使った3色(墨・赤・茶)による名入れカレンダーの文字月表部分の印刷、(2)4胴目にそのカレンダーの名入れ部分の刷版をセットし、1-4胴目を使った店舗名入りのカレンダーの印刷、(3)厚さ0.27ミリの紙に5・6胴目を使って2色(青・黄)での多面付けしたノートの表紙の印刷――を行った。とくに(1)の仕事から店舗名を追加するだけのジョブ変更となる(2)の仕事への移行については、「フライングジョブチェンジ機能」の活用により、(1)の仕事の刷了から約30秒程度で(2)の仕事の1枚目の印刷物が刷り出されてきた。また、(2)の仕事から(3)の仕事へのジョブ替えについても、用紙替えをしている間に自動的にジョブ替えが行われ、用紙替え後ただちに印刷作業へと移り、その生産性の高さに来場者を驚かせた。

A倍判6色印刷機との入れ替えで導入したこの「Rapida145」により同社では生産性が従来比で約1.5倍に向上し、協力会社に外注する比率も減少しているが、野崎社長はまだ満足をしていない。「従来比2倍の生産性を目指している。ただ、印刷機は1.5倍の生産性でも疲れないが、紙の出し入れをするのは人間なので、2人の機付人員はジョブ替えが早過ぎるために苦労している。そこで、紙積み機専用の人員を配置して作業の流れの改善を図っている。また、“フライングジョブチェンジ機能”をフルに活かすためには、印刷機単体の問題ではなく、刷版や用紙などの事前準備も同時に整えなければ意味がないので工務側の段取りが重要となる。オペレーターの習熟度向上、そして“フライングジョブチェンジ機能”の運用ノウハウを身に付ければ、さらなる生産性向上が見込めるので、従来比2倍の生産性に達するだろう」

同社の主力印刷機となった「Rapida145」では、迅速にジョブ替えができる特徴を活かしてロットの短いものを優先的に割り振っているほか、印刷立ち会いのケースでも優先的に使用している。野崎太資取締役製造本部長は、「生産性の高さに加え、ベタのつぶれや網点の再現性といった品質についても顧客から“きれいになった”と褒めてもらっている。また、大判印刷に多くあるファンアウトが発生しなかったり、印刷スピードが速くても機械の振動が極めて少なく、剛性の高い印刷機だと思う」と評価している。

(株)日本印刷新聞社掲載記事

お問い合せ

会員登録済みの方は、ログインしてお問い合わせください。

パスワード
確認用パスワード
会社名
郵便番号
都道府県
市区町村
番地・建物名
お電話
FAX
社員数
資本金
年商
創業(設立年)
部署
役職
お名前
ふりがな
生年月日
お問い合わせ内容