2013.01.01
大成がRapida1号機導入 特殊原反用モデルKBAジャパンが販売
(株)大成(本社・東京都新宿区、大野芳郎社長)は、国内第1号機となる独・KBA(=Koenig&Bauer AG)社製の菊全判印刷機「Rapida106」の導入を決めた【本紙既報】。販売・設置・アフターサービスなどは、独・KBA社の日本法人として新たに設立されたKBAジャパン(株)(本社・東京都中央区日本橋箱崎町20の3、電話03-5623-3004、ケネス・ハンセン社長)が行う。12月12日、ドイツ・ザクセン州のKBA社・ラデボイル工場で記者会見を開催し、その概要を説明した。
大成が導入を決めた「Rapida106」は、最高速度毎時2万枚(片面印刷時)/1万8000枚(両面印刷時)のスピードを誇る堅牢な作りの菊全判8色機で、プラスチック/フィルム系の特殊原反を印刷するためのオプションを組み込んだモデル。KBAの独自技術となる、フィーダーの前当て部で横針を使わないことにより高速安定給紙ができる「ドライブトロニックSIS」、刷版の全胴自動同時交換が行える「ドライブトロニックSPC」、刷版取り付け位置を自動認識し高い見当精度を実現する「プレートアイデント」、UV自動洗浄装置、デリバリーの自動排気装置、品質・色管理装置をはじめとした多くの機能を搭載しているほか、3灯のUVランプも備え、印刷内容にあわせて3灯のUVランプをどの印刷ユニット間にでも移設することができる仕様となっている。
大成では「Rapida106」をUV印刷と油性印刷の兼用機として使い、煙草や飲料用の自動販売機で使われるダミー缶などを製作するための、厚さ0.2-0.4ミリのポリエチレン系の特殊原反への電飾印刷を主な活用用途とする予定。来年3月から本格稼働を開始する。
大成の大野社長は、「印刷料金の低価格化に対応するために、生産能力向上と刷り出し時間短縮の2点を基準にして印刷機を選択した。生産能力については、現在稼働している印刷機が毎時5500-6000回転で印刷しているが、“Rapida106”は日本から実際の仕事で使う材料を持ち込んでテスト刷りをしたところ毎時1万2000回転で印刷できたので、実稼働でもそれに近い速度でフィルムの印刷をしたいと考えている。また、版交換時間をはじめとした準備時間の短縮も図れるので、生産性は倍増するのではないだろうか。一方、刷り出し時間短縮についても厳しい条件の下で印刷テストを実施したがまったく色ズレがなく、品質についても太鼓判を押せる機械だ。実際の仕事で使用する原反はとても高価なので、刷り出しに要する予備紙の削減が損益に大きく関わるが、その点でも貢献してくれるだろう」と、「Rapida106」に寄せる期待について述べた。
また、KBAジャパンのハンセン社長は、「納入された印刷機はすべて、本社サービス部門がリモートメンテナンスできる状態になっている。したがって、万一の場合でも迅速な対応ができることはもちろん、万一の事態が起きてしまう前に予防することもできる。このように、不測の事態による機械停止時間を最小限にするための体制を整えつつ、国内でのユーザー数が増えても対応ができるようにサービススタッフの拡充も図り、ユーザーのみなさんに安心してKBA製印刷機を使ってもらえる環境を構築する」と語った。
(株)日本印刷新聞社掲載記事
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